黒部五郎岳(くろべごろうだけ)は、富山県富山市、岐阜県飛騨市及び高山市にまたがる飛騨山脈の標高2,840mの山である。別名、中ノ俣岳(なかのまただけ)、鍋岳。黒部五郎岳は富山県側、中ノ俣岳は岐阜県側の古来からの名称。日本百名山及び花の百名山に選定されている。山域は中部山岳国立公園に指定されている。
「五郎」は、山の用語であるゴーロ、大きな岩がゴロゴロした場所が山名の語源である。巨大な圏谷を抱く特異な山容を見せる。花崗閃緑岩で構成され、山頂付近は岩が積み重なった砂礫地である。 圏谷が、その山体に対して余りに巨大なため、巨大なスコップでえぐられたようにも見える。(Wikipediaより)
稜線コースから見る黒部五郎岳 |
歩行距離 | 11.4km |
所要時間 | 8時間25分 |
累積標高差 | (+) 900m (-) 917m |
コース | 黒部五郎小屋05:25 → 黒部五郎岳08:45 → 中俣乗越 → 赤木山11:10 → 北ノ俣岳12:05 →太郎平小屋 13:50 |
04:45起床、05:25 小屋の受付で弁当を受け取り黒部五郎小屋を出発する。出発直前まで黒部五郎岳に達する
二つのルートである、稜線コースとカールコースのどちらにしようか迷っていたが、稜線コースを行くことに決める。その稜線は
とても険しそうでどうなるか分からないが、何とかなるだろう。体のほうも2500m以上の標高に馴れ、快調だ。
まだ空は薄暗。黒部五郎小屋の脇の道をキャンプ指定地方向に進み、標識に従い右に折れ岩の急登を上っていく。背後には三俣蓮華岳
の山塊が大きい。前方に見える満月に近い月が明るい。岩のガレた急坂を登りきると道は広い尾根の道になる。白いペンキで塗られた
丸印の道標がなければ、道に迷いそうだ。左手後方に笠ヶ岳と折戸岳の稜線が、右手に黒部五郎の稜線が朝日に照らされ美しい。
右手後方には、穂高連峰と槍ヶ岳のギザギザの稜線が見えてくる。今日の視界は、山に入って3日目になるが最高である。
岩の上に座り休んでいると中高年夫婦が追い越していく。大きな板のような岩が折り重なったハイマツの中の細い道になり慎重に歩く。
前方を見ればカール沿いの断崖の道は険しそうだ。このコースを選んだことを少し後悔する。迫力のある黒部五郎カール
を終始右手に見ながらハイマツの中の道を行く。素晴らしい景色だ!!前方のもっこりとした2671m峰を越える中高年夫婦が、
一時道を探しあぐねている様子を見て緊張する。大きな岩が折り重なったその峰の山頂付近に達したとき、標識が見分けにくく、
思った通り道を見失う。風が強くなり不安が増してくる。こんな時は休んで考えるに限る。岩陰でに座り小休止する。何とか岩場を
登り2671m峰を乗り越える。やがて右側が切れ落ちた断崖の岩の道になる。道はしっかりしているが、風が強いので一歩一歩
慎重に登っていく。振り返れば登ってきた稜線が何と険しいことか・・・。
最後の岩場の急登を登りきり黒部五郎岳山頂に達する。昨日に
引き続き、これで2回目の登頂になる。山頂からは360度の大展望が広がる。北アルプスの位置関係がよくわかる。
北方向には、昨日雲間に隠れよく見えなかった立山と剱岳が、大きな薬師岳の右側によく見える。
南方向には、笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽が連なって見える。先の御嶽山の噴火における多数の犠牲者のご冥福を祈る。
西側の遠くには、白山の山々が見える。北東方向には、広大な雲ノ平の向こうに水晶岳と鷲羽岳がそびえる。しばらくすると
反対側のカールコースから、黒部五郎小屋の大部屋でとなりどうしになった名古屋の中高年が登ってくる。お互いの健闘を
たたえ挨拶を交わす。山頂には5名もの登山者がいるだろうか。風が強い中、弁当を食べる。
黒部五郎岳の下り慎重に下る。100リッターもありそうな大きなザックを背負った大阪の登山者と話をする。
涸沢から槍ヶ岳、三俣蓮華岳、黒部五郎岳を経て薬師岳から立山に抜けるという。数日の縦走に必要な食糧、水、テント、
寝袋などが入ったザックは本当に重そうだ。雄大な景色を楽しみながら順調に縦走路を歩く。少し脇腹に違和感があるが
ほとんど休まず北ノ俣岳を過ぎ、ハイマツ帯を歩いていると突然、ハイマツの中から可愛らしい雷鳥が姿を現す。すかさず
写真を撮る。今回の山行で初めて見る雷鳥である。
地塘が散在する広大な太郎兵衛平を行く。最後の太郎山を越えると今日のゴールの太郎平小屋は目の前だ。13:50太郎平小屋
に到着する。イケメンの受付によれば明日の午後から大荒れの天候になるという。明日の最終日に薬師岳に登る予定であるが
、どうしようか・・・。まだ時間もあるし今日のうちに折立まで下ろうか・・・。しかし受付の「薬師岳の登山道には、もし
転げても危ない個所はない。」というアドバイスに明日の薬師岳行きを決める。一昨日と同じニッコウキスゲという名の部屋が
割り当てられる。談話室兼自炊室あにある山雑誌を見て時間を過ごす。夕食は、カレーピラフと小屋で買ったカップヌードルを食べる。
夕方、二人の中高年男性を含む十数名の賑やかな中高年女性登山者の一団が到着する。リーダーの男性はやけにテンションが高い。
相部屋になる一人の中高年男性が部屋に到着していた。話をすると、昨晩は自分と同じ黒部五郎小屋に泊まったという。
そういえば昨日の午後6時過ぎ、消耗しきった様子で大部屋に入ってくるなり布団の上に転がった登山者がいたが、その人
ではないか。埼玉から来た上品で優しそうな感じのその中高年登山者は、折立から雲ノ平を経て、鷲羽岳を登り三俣蓮華岳、
黒部五郎岳を経て明日太郎平小屋から直接、折立に下るという。3泊4日の行程である。自分が当初考えていた「日本最後の秘境」
雲ノ平を回るコースを巡って来たという。コースと到着時間が記された地図を見せてもらう。とてもハードなコースだったようで
予定していたテント泊から小屋泊まり変えたとのこと。やはり雲ノ平への登りは、岩がごろごろした沢のような急登を登って行ったそうだ。
かなり手強そうだ。山旅と車中泊の話題で盛り上がる。消灯時間になり、明日の薬師岳のことを夢みながら眠りに就く。
天気がもてばいいが・・・。
黒部五郎小屋を出発する。黒部五郎岳稜線コースを目指す。 |
黒部五郎小屋を振り返る。 |
月を見る。 |
後方に三俣蓮華岳(2841m)と丸山(2854m)を見る。 |
左手に笠ヶ岳(2898m)と抜戸山(2813m)を見る。 |
黒部五郎岳と黒部五郎カールに朝陽があたる。 |
左手前方に白山を見る。 |
ご来光 |
・・・ |
・・・ |
岩場の道になる。 |
2671m峰・頂上附近の岩場で一時道を見失う。 |
右手に黒部五郎カールを見る。 右手に雲ノ平を見る。 |
黒部五郎カールを見る。 |
もうすぐ黒部五郎岳山頂だ。 |
登ってきた稜線を振り返る。槍ヶ岳と穂高連峰が見えてくる。 |
黒部五郎山頂(2839.6m)に立つ。 |
左手に笠ヶ岳(2898m)、乗鞍岳(3026.3m)、御嶽山(3063.4m)を見る。 |
黒部五郎岳山頂から薬師岳(2926m)と剱岳(2999m)、立山(3015m)を見る。 黒部五郎岳山頂から鷲羽岳(2924m)、三俣蓮華岳(2841m)、槍ヶ岳(3180m)、穂高連峰などを見る。 |
山頂南西方向の山々 |
山頂南東方向の山々 |
山頂東方向の山々 | 山頂北方向の山々 |
山頂西方向の山々 |
黒部五郎岳の肩から北ノ俣岳の方向に目指す。/黒部五郎岳の山麓 |
黒部五郎岳の急坂を下り振り返る。 |
岩場を通過する。 |
赤木岳を通過する。/ 中ノ俣岳を通過する。 |
中ノ俣岳を通過する。 |
視界抜群のなか左手前方に有峰湖、さらその先に富山湾、能登半島を見る。 |
前方に広大な太郎兵衛平を見る。 |
今回初めて雷鳥を見る。 |
右手には終始大きな雲ノ平が迫る。 太郎兵衛平を下る。 今日のゴールの太郎平小屋は目前だ! |
☆パノラマ(写真をクリックすると拡大写真がでできます。)☆
黒部五郎カール 雲ノ平と水晶岳 |
初めての北アルプスの旅 4日目 薬師岳 2015.10.01 に続く
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